「椿三十郎」６０億円狙う

映画「椿三十郎」（１２月１日公開、森田芳光監督）の完成披露会見が２２日、都内で行われ、主演の織田裕二（３９）や豊川悦司（４５）、１２年ぶりの映画出演となった中村玉緒（６８）ら出演者が顔をそろえた。製作総指揮の角川春樹氏（６５）は「（興収４０億円の）『武士の一分』が最低ライン。６０億円を狙いたい」と大きな目標を掲げた。

　春樹氏が、公開を前に悲壮の決意を見せた。麻薬取締法違反で２年半の服役を終えて０４年４月の出所後、復帰第１弾として製作を手掛けた「男たちの大和／ＹＡＭＡＴＯ」は興収５０・９億円を記録。しかし、チンギス・ハーンの生涯を描いた第２弾「蒼き狼～地果て海尽きるまで～」は総製作費３０億円を投じながら、最終興収約１５億円。自身でも「非常に考えさせられることになった」と失敗を認め、「（今作は）どうしても外すわけにはいかない」と力を込めた。

　本作は故・三船敏郎さんと故・黒澤明監督が組んだ１９６２年の名作のリメーク。時代劇映画として最多規模の３２５スクリーンでの公開。「４０億円は最低ラインと考えている。どうしても死守して、６０億を狙いたい」時代劇として最高興収４０億円をたたき出した「武士の一分」（主演・木村拓哉、山田洋次監督）を引き合いに、これまで明言することのなかった目標数字を初めて掲げた。

　リメークにあたっては「４５年前のままでは成立しない。時代劇なのに面白くて笑えてカッコイイというものでないといけない。笑いが前作より広がっている」と自信を見せる。主演の織田も「今を描いている作品だと思った」と話した。

　織田は「踊る大捜査線　ＴＨＥ　ＭＯＶＩＥ２　レインボーブリッジを封鎖せよ！」で、邦画実写史上最高の１７３・５億円を記録した実績があるだけに“織田効果”に期待大。

　春樹氏は０８年夏にも新作「神様のパズル」（三池崇史監督）を公開。ほかにも数本の映画を企画中だけに、今作で巻き返しを図り、弾みをつけたいところだ。

参照元：スポーツ報知