アッコ、阿久さんに財産いただいた…阿久悠を送る会

　８月１日に尿管がんのため７０歳で亡くなった作詞家の阿久悠（本名・深田公之＝ふかだ・ひろゆき）さんをしのぶ「阿久悠を送る会」が１０日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで行われた。昭和歌謡界の巨人をしのび、歌手の和田アキ子（５７）や尾崎紀世彦（６４）、山本リンダ（５６）ら約１２００人もの芸能関係者が駆けつけた。アッコは「すごい人、誇りに思えてきました」と涙をこらえ語った。

　「また逢う日まで」や「あの鐘を鳴らすのはあなた」「サウスポー」など、阿久さんが作詞した名曲が流れる会場で多くの歌手に見送られ、阿久さんが天国へ旅立った。

　祭壇の遺影は、ウイスキーグラスを手に笑顔を見せる阿久さん。今年春、サントリーウイスキー７０周年記念で撮影したポスターを拡大したもの。その下には紫綬褒章、そして先日贈与された旭日小綬章の賞状が飾られた。

　会場にはほかに「また逢う日まで」「北の宿から」「勝手にしやがれ」「ＵＦＯ」「雨の慕情」での５回の日本レコード大賞、そして作詞賞など１２回の受賞で贈られた、計１７枚ものレコード大賞関連の盾などがズラリ。「アナログの鬼」と題された阿久さん直筆の詩、阿久さんが作詞した曲を背景にした似顔絵なども並んだ。

　しんみりとしたムードではなく送り出したい―。会場では料理のほか、阿久さんの作詞した曲名の焼酎「勝手にしやがれ」や「狂わせたいの」がふるまわれ、阿久さんの曲が生バンドで次々と演奏された。また、若かりしころの写真など、生前の活躍ぶりが映像にまとめられ、大画面に映し出された。妻の雄子さん（６７）も、涙は流さず気丈に対応していたという。

　「あの鐘―」を歌う和田アキ子は「泣きそうになったけど、泣いたら、お前に似合わんって絶対しかられる」と言いつつ涙目。「デビューしたころ週に２、３回は飲んでた。偉ぶるところのない人。お酒？　強いですよ。私と似たようなもの」と振り返り「『お前が歌い続けてる限り歌える歌ばかり書いた』と言ってくれて。私の曲は１位になったことがないけど６０歳、７０歳になっても歌える。すごい財産をいただいた」と天国に向かって感謝。「今日のことは忘れられない。これからは歌い方が変わると思う」と故人をしのんでいた。

　【主な出席者】　阿川佐和子、秋元康、石川さゆり、井上順、岩崎宏美、岩下志麻、江本孟紀、遠藤実、奥山和由、尾崎紀世彦、加藤和也、川中美幸、久米宏、倉本聰、ゴスペラーズ、小林亜星、西城秀樹、島倉千代子、高橋真梨子、谷村新司、テリー伊藤、新沼謙治、野口五郎、ピンク・レディー（ミー、ケイ）、ペギー葉山、星野哲郎、松本零士、都はるみ、森進一、森昌子、森田公一、八代亜紀、山本リンダ、和田アキ子、渡辺真理（５０音順、敬称略）

参照元：スポーツ報知