キャラに囲まれ「これでいいのだ」…赤塚不二夫さん通夜

２日に肺炎のため亡くなった漫画家の赤塚不二夫さん（享年７２歳）の通夜が６日、東京・中野の宝仙寺で営まれた。赤塚さんを恩人と慕うタレントのタモリ（６２）を始め黒柳徹子（７４）、落語家の立川談志（７２）ら関係者約８００人が参列。祭壇には「天才バカボン」など赤塚さんが生んだキャラクターのイラストを配置。一般ファン向けの焼香台も設けられ、バカボンなどの主題歌が流れる中、ファン約４００人が別れを惜しんだ。

　ギャグ漫画の巨人を“キャラクター葬”で追悼した。

　祭壇には、赤塚さんが生み出したバカボン、バカボンのパパ、ひみつのアッコちゃん、ニャロメなど代表的なキャラクターのイラストが８枚。その中央に赤塚さんの遺影。愛しい“子供たち”に囲まれほほえむ赤塚さんの遺影は、長女で喪主のりえ子さん（４３）が「アナーキーなイメージだったけど、穏やかで優しい笑顔」と、一番好きだった９５年に撮影した写真だ。出口付近にはキャラクターのイラスト２７枚が参列者を見送った。

　赤塚さんの遺体は午後４時３０分ごろ、宝仙寺に到着。ひつぎには「菊千代」と赤塚さんのツーショット写真、アイデア帳として愛用していた２００字詰めの原稿用紙、鉛筆、昨年発売された「天才バカボン」のベスト選集が収められた。

タモリは午後６時の通夜開始直前に到着。「笑っていいとも！」の生出演後、仕事の打ち合わせを早めて駆けつけた。タモリが訃報を聞いたのは２日の夜。都内でロケ中だったが、動揺を隠し収録を続けた。赤塚さんが亡くなってから、この日が“初対面”。遺影をじっと見つめ、手を合わせた。

　赤塚さんが闘病中、タモリは黒柳と一緒に病院を見舞った。意識のなかった赤塚さんに反応があり、看病していた事務所スタッフから「喜んでいるんですよ」と言われた。タモリはこの日、参列者がほぼ帰った午後８時４０分まで会場に残り、漫画家らと赤塚さんの思い出を語り合った。７日の告別式で弔辞を読む。

　ファン向けの焼香台には、鉛筆とたばこを持ち机に向かう写真と、バカボンのパパの扮（ふん）装をした赤塚さんの２枚の写真。バカボンの「♪これでいいのだ～」や「ひみつのアッコちゃん」などの主題歌が繰り返し流された。

　赤塚さんの戒名は告別式まで未定だが、「漫」と「不二」の文字が入るという。

参照元：スポーツ報知