ヒース遺作がオスカー候補…ＮＹプレミアで出演者絶賛

　【米ニューヨーク１４日】米映画「バットマン・ビギンズ」の続編「ザ　ダーク　ナイト」（８月９日日本公開、クリストファー・ノーラン監督）のワールドプレミアが、米ニューヨークで行われ、主演のクリスチャン・ベール（３４）ら俳優陣が来場した。最強の悪役・ジョーカーを演じ、今年１月に他界したヒース・レジャーさん（享年２８歳）にはアカデミー賞助演男優賞が確実視されるなど、３年ぶりの最新作にニューヨーク全体が異常な盛り上がりをみせた。

　世界各国から報道陣３００人、ファン１０００人以上が集うなか、ブラックカーペットに出演者は黒いスーツ、黒ドレスで登場。丸刈り姿で５０台以上のテレビカメラに笑顔を振りまいたクリスチャンは「今公開されているいろいろな映画の中で一番の出来」と自画自賛した。

　同シリーズ史上最長の２時間３２分。宿敵ジョーカーの出現により、法外に悪を取り締まることのかっとうを前作以上に強調した力作だ。クリスチャン以上に評価が高いのが８９年に名優ジャック・ニコルソンも演じた宿敵ジョーカー役のヒースだ。広告塔のほとんどがバットマンではなく、ジョーカー。市全体も後押しし、米各誌も特集している。

　０５年、有力作だった「ブロークバック・マウンテン」でオスカーを逃しただけに、故人では「イル・ポスティーノ」（９５年）のマッシモ・トロイージ以来１３年ぶりのノミネート、受賞すれば「ネットワーク」（７６年）のピーター・フィンチ以来３２年ぶりとなるアカデミー賞助演男優賞が早くも確実視されている。

　終盤、病院内のシーンで約５分間、ヒースのアドリブを目の当たりにした検事役のアーロン・エッカート（４０）は「ヒースは役柄を本当によく理解していたから、何でもできた。本当の役者だった」。ゴッサムシティーで戦ったクリスチャンも「今までにあったジョーカー役を前に見たことのないようなものに作り上げた」と手放しでたたえている。

　２７日には約３年ぶりとなるクリスチャンら出演者が来日する。２８日にジャパンプレミア、２９日には来日記者会見を行う。この日お披露目された改造車「バットポッド」も運ばれる予定。ニューヨークを動かしたヒースの遺作で、日本でもジョーカー旋風を巻き起こす。

　◆ヒース・レジャー　１９７９年４月４日、オーストラリア生まれ。姉の影響で幼少から地元の劇団で活躍。９７年、１８歳のときに豪映画「ブラックロック」でデビュー。９９年主演映画「恋のからさわぎ」でハリウッドデビュー。０４年アン・リー監督の「ブロークバック・マウンテン」でミッシェル・ウイリアムズと共演し、婚約。０５年に長女が誕生も、０７年９月に婚約解消。今年１月２２日、薬物摂取による急性中毒でニューヨークの自宅で死去。身長１８５センチ。

参照元：スポーツ報知