勘太郎「禅」米進出…約１０か所で上映会

歌舞伎俳優の中村勘太郎（２７）が主演する映画「禅　ＺＥＮ」（高橋伴明監督）が、国内外の反響を受けて全米で上映されることになった。同映画は日本でもスマッシュヒット中だが、米国でも１月末のワシントンに続き約１０か所での上映会が決定した。このほど取材に応じた勘太郎は「日本文化に共感を得ている」とヒットに驚きながらも反響に感謝。女優・前田愛（２５）との結婚も準備が順調に進んでおり、公私ともに絶好調だ。

　勘太郎が表現した禅の心が“全”米に広がることになった。

　映画はひたすらに座禅する「只管打坐（しかんたざ）」を教えとする曹洞宗の開祖・道元の生涯を描く物語。１月に公開されると「１スクリーンあたりの興行成績」で１位を獲得。１００館以下という少ない劇場数ながら公開５週目で３億円を超えた。勘太郎は「当時は救いを求めていた時代。道元の教えは今の時代にも向いてますよね」と映画で描かれる時代と、不況で先行き不安な現在の社会の共通点を挙げながら分析した。

　社会不安が広がっていた当時と同じように、金融危機の状況下にある米国でも同映画の関心が高く、１月末にワシントンで上映会が開催。客席の約８割が米国人の中、絶賛の声が相次ぎ、２月末から３月にかけてシアトル、デトロイト、アトランタなど全米約１０か所での上映会が決定した。

　３月中旬には歌舞伎公演を行ったこともあるニューヨークでも開催され、同地には勘太郎も駆けつけ舞台あいさつを行う予定だ。勘太郎は「日本文化の静の部分、内面の美しさに魅力を感じてもらっているのかな。ありがたいですね」と感謝。現地では質問も受けることになりそうで「禅問答も準備しないといけないですね」と道元の精神を伝えるつもりだ。

　映画の反響に加え、このほど読売演劇大賞の杉村春子賞も受賞。また、プライベートでは前田との結婚に向けた交際が明らかになるなど０９年は“当たり年”の勘太郎。前田との交際は「そっとしておいてほしい。街で『おめでとう』とか一般の方に言われたり。道元のように地味にいきたいんですけどね」と照れたが「結婚は今年中？　そうですね」と準備を進めている。伝統ある歌舞伎界での結婚だけに「大変なんだな、というのは改めて思います。準備は（前田に）任せてますよ」。結婚については正式に決まり次第、改めて発表する意向という。

参照元：スポーツ報知