吉田拓郎が完全復活 ツアー再スタート

　シンガー・ソングライターの吉田拓郎（６１）が３０日、体調不良のため中止していたコンサートツアー「Ｌｉｆｅ　ｉｓ　ａ　Ｖｏｙａｇｅ　ＴＯＵＲ　２００７　“Ｃｏｕｎｔｒｙ”」を熊本・熊本市民会館で再スタートさせた。「今日が初日のつもりでやる」と１６００人のファンを前に、約２時間２０分全２１曲を力強い歌声で披露。「熊本の女性はきれい」「今日が終わったら、また休もうかな」と拓郎節も健在で、完全復活を印象づけた。

　１か月ぶりに、スポットライトを独り占めにした。幕が開くと、ギターを肩にかけた拓郎は、眠っていた感触を確かめるようにステージに登場。張りのある力強い声を響かせると、大きな拍手と「拓郎」コールを気持ちよさそうに浴びた。

　８月２１日に埼玉・サンシティ越谷市民ホールでスタートした今回のツアー。同２４日に２か所目の東京・パルテノン多摩で公演を行う予定だったが、当日リハーサルで、のどの不調を訴えた。風邪及びへんとう炎と診断され延期すると、復帰予定だった同２８日の東京・江戸川区総合文化センター公演も急性気管支炎で延期した。続けて、ぜんそく性気管支炎のため、９月４日から同２４日まで東北・関西での６公演の延期を発表。せきが止まらず、３週間の安静加療を要した。０３年には肺がん摘出手術も受けているだけに、体調が心配されていた。「（予定では）１１月に（ツアーが）終わったら、１０年ぐらいツアーに出るのをやめようかなと思っていた」と拓郎。もくろみが外れ「人生は思い通りにいかないもの。このままずっと休んでいられたらいいなとも思った」と自虐的に笑いを誘った。

　だが、転んでもただでは起きないのがフォークのパイオニア。１か月の自宅静養で気力、体力も回復。３日前の２７日に現地入りし、万全を期した。「熊本は女性がきれい。周りに聞いたら、（福岡の歓楽街）中洲の半分の値段で女性が２倍きれいだって」（笑い）

　ツアー初日から曲順も入れ替え、心機一転。“兄貴分”のムッシュかまやつ（６８）とも共演した。「今日が初日のつもりでやる。そんな意気込んでどうするんだ」と自ら突っ込むと、「今日が終わったら、また休もうかな」。その言葉がウソということは、６１歳の男の歌声が証明していた。

参照元：スポーツ報知