本木オスカー候補に感激！授賞式スピーチは「Ｙｅｓ Ｗｅ Ｃａｎ」

映画「おくりびと」（英語題・Ｄｅｐａｒｔｕｒｅｓ）の主演俳優・本木雅弘（４３）と滝田洋二郎監督（５３）が第８１回米アカデミー賞外国語映画賞ノミネートから一夜明けた２３日、東京・築地の松竹で喜びの会見を行った。本木にとって米アカデミー賞は１９９２年に中継番組の紹介役として参加し、妻で女優・内田也哉子（３２）と初仕事した思い出の地という。２月２２日（日本時間２３日）にロサンゼルスで行われる授賞式は夫婦参加となりそうだ。また、米など世界２９か国での公開が決まった。

　「平静を保てません。人知の及ばざる力を感じます」。本木はオスカー候補の重みに表情を引き締めたが、自然と笑みもこぼれてくる。

　９２年、ＮＨＫ衛星番組の紹介役でアカデミー賞授賞式を取材し、レッドカーペットを初体験。本木は「当時１６歳だった奥さんに通訳をお願いして、一緒に初めて仕事した。それを懐かしめたら」と語り、９５年に結婚した内田と“夫婦レッドカーペット”を希望した。

　０４年「たそがれ清兵衛」以来５年ぶりの外国語映画賞ノミネート。義父の内田裕也（６９）は本木にファクスで「アカデミー賞を祈ってた。それが通じた」と祝福。義母の樹木希林（６６）について本木は「（自分は）後悔ばかりしている人。家ではグチを言ってる私に『そろそろ素直に喜んだら？』と言ってくれた。希林さんはしみじみ喜んでくれていると思う」と語った。

　滝田監督は８６年公開の裕也主演作「コミック雑誌なんかいらない！」でカンヌ国際映画祭に参加。本木は「滝田監督が裕也さんをカンヌに運んでくれ、今度は私をアカデミーへ連れて行ってくれた」と感謝。「これ以上望んでいないので、授賞式は観客として見たい。スピーチも考えてません。第一声？　イエス、ウィー・キャン」とジョーク。滝田監督は「まだ実感がなくて。夢のまた夢のアカデミー、奇妙な感じ」と話した。

　世界２９か国で公開が決まり、米は５月に封切り予定。上映館数は未定だが、今回のノミネート、そして受賞となれば増加は確実だ。本木の名前も米に知れ渡り、ハリウッドから出演オファーが届く可能性は十分だ。

　渡辺謙（４９）も０４年の助演男優賞ノミネートを機に本格進出したが、本木は「そういう期待はありませんが、流れの中で（考えたい）」と米デビューに意欲を見せた。

　◆外国語映画賞　当初は「名誉賞」や「特別賞」と称されていたが、１９５６年から現行のノミネート方式に。５２年「羅生門」（黒澤明監督）、５５年「地獄門」（衣笠貞之助監督）、５６年「宮本武蔵」（稲垣浩監督）が名誉賞。「おくりびと」が受賞すれば現行方式では初めて。

　◆外国語映画賞決定までの流れ　日本映画製作者連盟が前年１０月～翌年９月までの初公開作のうち、アカデミー出品申請のあった作品から１本を選考（今年、日本では２９作が申請）。出品できるのは各国１作品で例年６０作以上が集まる。「映画芸術科学アカデミー」の約６万５０００人の会員のうち３００人がノミネート候補９作品に絞る。続いて会員３０人がノミネート５作品を決定。外国語映画賞は会員の投票によって決まるが、投票者は全５作品を見ていることが条件で、投票者数は年ごとに違う。

参照元：スポーツ報知