本木＆樹木、史上初！“親子”同時受賞…ブルーリボン賞

［主演男優賞］東京映画記者会（報知新聞など在京スポーツ７紙）が選ぶ「第５１回（０８年度）ブルーリボン賞」が１４日、決まった。「おくりびと」の本木雅弘（４３）が第３５回以来１６年ぶりの主演男優賞を受賞。主演女優賞は「ぐるりのこと。」の木村多江（３７）が初受賞。報知映画賞に続く助演女優賞となった樹木希林（６６）は、義理の息子・本木と史上５組目となる“親子受賞”を果たした。親子での同時受賞は史上初。授賞式は２月３日に東京・銀座ブロッサムで行われる。

　樹木との“親子受賞”を聞いた本木は「照れくさいし、でも不思議ですね」。ともに映画界で活躍し、日本アカデミー賞で同時に優秀賞に輝いたことはあったが、同時受賞となると初めての経験。「（父の内田）裕也さんも“ロック”の６９歳になられて、おめでたいことが重なった。運がつきすぎて内田家が今後どうなるか怖い」と笑ってみせた。

　受賞作「おくりびと」は、公開前にモントリオール世界映画祭でグランプリなど３部門を受賞したほか、国内外の映画賞で評価されているが、意外にも本木が個人賞を受賞するのは今回が初めて。「申し訳ないぐらい光栄」とジャケットに手をやり、身を引き締めた。

　映画公開までの道のりは長かった。本木が納棺師という職業に出会ったのは約１５年前。「作品が時機を選んで世の中に出た」当時は２０代独身だったが、今は４０代を超えて、円熟味を帯びている。「いろんな意味で奇跡的にバランスが取れた映画だと思う」理想の形で公開からヒットへと結びついたことに驚いた。

　プライベートでも一昨年、所属事務所社長で２０年来の本木のマネジャーでもある小口健二社長が亡くなった。「最後に一緒に仕事したのが、この『おくりびと』だった」そして最後に本木に与えた仕事が、３年がかりで撮影に臨むＮＨＫスペシャルドラマ「坂の上の雲」。「１つの試練を残してくれた」恩師の思いに応え、役者としてさらなる成長を続ける。

　◆ブルーリボン賞の由来　青空のもとで取材した記者が選考し、賞状に青リボンを巻いて贈ることが名の由来。映画に取り組む姿勢、人柄も選考対象となるのが特徴。

参照元：スポーツ報知