素顔の森光子を披露…８８歳初の著書出した

女優の森光子（８８）が２５日、初の著書「女優　森光子　大正・昭和・平成―八十八年　激動の軌跡―」（集英社刊、３１５０円、２６日発売）の出版を記念し都内で会見した。５月９日の誕生日に舞台「放浪記」が上演２０００回を迎えるに当たり「引き際をどうするか考えていないこともない」と引退も示唆したが、「まだ見てらっしゃらない方にも見ていただきたい」と現役続行に意欲を見せた。

　人生初の著書を手に、大ベテランが新人女優のように初々しくはにかんだ。写真家・篠山紀信さん（６８）が「放浪記」の舞台裏に密着した写真集パートでは、女優生活で初めて楽屋で化粧する姿を披露。すっぴんもさらしている。「写真集というと宮沢りえちゃんくらいしか思いつかなかったので、何で私が… という気分でした」。表紙の笑顔が一番のお気に入りショット。「修正してない？　ちょっとそれが自慢です」つやつやの肌を輝かせてほほえんだ。

　当初は写真集の企画だったが、秘蔵写真や半生を振り返る評伝を盛り込んだ著書に発展。親交の深い著名人３１人からのメッセージも収録されている。巨人の長嶋茂雄終身名誉監督（７２）や、王貞治さん（６８）、野茂英雄さん（４０）ら第一線を退く知人も多い中、ライフワークの「放浪記」は前人未到の２０００回を迎える。「『放浪記』がなかったら、ここまでやってこれたか分かりません。役者って脚本にほれますから何度も読み返しては、何でこんな脚本が書けるのかしらって。今度は５月ですから、１か月前からまたセリフを覚えようかと思ってます」

　７０歳のころから始めた朝夕７５回ずつのスクワット、朝に生絞りジュースを飲むのを日課にして体調を維持。特に半月板の強さは医師も太鼓判を押しているそうだが、引退の時期も頭にちらついている。「人間は老いますし、年を取りますから、自分でもどういうふうに引き際をすればいいのか考えてないこともないですけど、いつも満員のお客さんが見てくださるのは不思議でしようがない。まだ見てらっしゃらない方もいるので、見ていただきたいですけど、どうでしょうか。今、一生懸命考えてます」。満員の客席が待っている限り、大正、昭和、平成を生き抜いた大女優は舞台に立ち続ける。

　◆復活朝青に興味　○…会見後はちょうど大相撲の優勝決定戦があったため、慌ててテレビの前に陣取って観戦。応援していた白鵬は惜しくも敗れ、残念そうだった。観戦後はすぐ今井翼のライブ会場へ向かったが、「（インタビューでは聞けない）朝青龍の本音を聞いてみたいわね」と完全復活した横綱に興味津々だった。

参照元：スポーツ報知