鶴瓶、小百合にお願い タモリさんとダブルデートして！

　女優・吉永小百合（６３）と山田洋次監督（７７）がタッグを組む映画「おとうと」（来年１月公開）の撮影と製作発表会見が１日、千葉・木更津市内のホテルで行われた。吉永の弟役は笑福亭鶴瓶（５７）。外見は似ても似つかない“美女と野獣コンビ”だが、吉永は鶴瓶の子供時代の写真を見て役作り。「手のかかる弟ですが、すてきな姉弟にしたい」と意欲満々だ。鶴瓶は吉永ファンのタモリ（６３）を交えた食事デートを吉永におねだりした。

　この日は吉永演じる吟子の一人娘、小春（蒼井優、２３）の結婚披露宴の撮影が行われた。東京で薬局を営み堅実に暮らす吟子と、大阪から駆け付けたハチャメチャな弟・鉄郎（鶴瓶）が対面する重要なシーン。留め袖姿の吟子は酔って騒ぐ鉄郎をハラハラしながら見守り、鶴瓶は赤ら顔のメークでノリノリの熱演だ。

　容姿も性格も違う姉弟。吉永は「鶴瓶さんから小・中学生の写真を頂きました。それを見ながら、ダメだけどかわいい弟の鶴瓶さんとどんな風に演じたらいいか。監督のタクトで演じたい」実際は高校、大学時代を含め４、５枚の鶴瓶の写真を見て、台本にない姉弟の長い歴史を思い描く。

　「ぼくの写真が吉永さんの家にあるだけでうれしい」とデレデレの鶴瓶は、吉永の叔父を演じた山田監督の０８年「母べえ」に続く共演。吉永と“急接近”する鶴瓶をけん制するのが“サユリスト”のタモリだ。「笑っていいとも！」で共演する鶴瓶は「タモリさん、ものすごいしっとしてます。僕が『３人でご飯に行こうと吉永さんに言いましょうか？』と言ったら喜んでました。吉永さん、よろしくお願いします」と頭を下げた。

今作は故・市川崑監督の１９６０年公開「おとうと」で描かれた姉弟の“その後”を描いた山田監督のオリジナルストーリー。巨匠は「市川さんのような姉と弟の物語を撮るのが長年の夢だった。市川さんの『おとうと』は大好きだが、マネしたってダメと言い聞かせている」と話す。

　吉永にとっては山田監督と念願の再タッグ。「（『母べえ』が出品された）ベルリン映画祭に山田監督とご一緒し、成田空港でお別れするのがつらかった。今回出演できて、とてもとてもうれしい」と笑顔を見せた。クランクアップは４月上旬を予定。

　◆映画「おとうと」　早くに夫を亡くした薬剤師の吟子（吉永）は義母の絹代（加藤治子）と娘の小春（蒼井）と３人暮らし。小春の結婚式は吟子の弟・鉄郎（鶴瓶）が酔って台なしにしてしまい、兄の庄平（小林）は激怒。やがて小春は離婚、幼なじみ（加瀬亮）と親しくなる。鉄郎の借金をきっかけに縁を切った吟子だが、鉄郎が余命わずかと知り大阪へ駆け付ける。

　◆稔侍ＮＧ５０回　○…吉永と鶴瓶の兄を演じるのは小林稔侍（６５）。鶴瓶に「３歩歩くシーンで５０回ＮＧ出した」と暴露された小林は「監督に『全部おかしいですよ』と言われちゃって」と赤面。蒼井は「山田作品が発表されるたびに『また入れなかった』と。現場にいることが夢のよう」と話していた。

参照元：スポーツ報知