３人娘で町おこし、ステレオポニー沖縄・本部町メジャー宣言

５日に「ヒトヒラのハナビラ」でメジャーデビューする３人組ガールズバンド・ステレオポニーがこのほど、沖縄・本部（もとぶ）町にある世界最大級の「海洋博公園・沖縄美ら海（ちゅらうみ）水族館」初のスチール撮りを行った。同バンドが同町出身ということで、水族館の大水槽を利用することが初めて許可された。同町の親善大使にも任命されており、町を挙げての応援に３人は「私たちが有名になって、本部をアピールする」と意欲を口にした。

　全長７・９メートルのジンベエザメやマンタ、オオメジロザメが泳ぐ―。水族館の目玉、「黒潮の海」と名付けられた大水槽で撮影が行われた。「まさかここで、スチール撮影できるなんて思いませんでしたよ」とＡＩＭＩ（１８）が気持ちを代弁するが、３人の目は水槽にくぎ付けで、興奮気味だ。

　撮影は入館終了後の夜。水槽の生き物が光に敏感なこともあり短時間での撮影となったが、神経質といわれるジンベエザメが近くに寄ってくるラッキーも。「魚たちにも応援されているみたいで、頑張らなきゃいけない」と、３人は大はしゃぎだった。

　アーティストのために大水槽の使用許可が下りたのは初めて。３人が本部町在住で、ＡＩＭＩとＳＨＩＨＯ（１８）は同町の本部高校に通っていることもあり、特別に撮影許可を受けた。３人はこれに先立ち、同町から親善大使にも任命されている。

　町おこしを期待されることに３人は「本部を有名にしたいです。海も山も自然が最高ですから…。これからもできればずっと本部に住みたい」と口をそろえる。さらに「沖縄出身は安室奈美恵さんとか仲間由紀恵さん、オレンジレンジとかいますが、本部出身で有名な人はいない。自分たちが有名になれば、本部もフューチャーされますから」と目を輝かせる。

　音楽に対して妥協はない。「ライブをきっちりできて、ファンを感動させるバンドになりたい」とＮＯＨＡＮＡ（１９）。学生の２人は下校後、スタジオに直行し１日５時間ほど楽器の練習と曲作りに費やしている。「遊ぶ時間がもったいない。もっとうまくなりたいですから」（ＡＩＭＩ）とあくまで貪欲（どんよく）だ。「夢のためには我慢できます」という今どきの１０代には珍しい根性娘３人が、沖縄を飛び出し勝負をかける。

　◆ステレオポニー　ボーカル・ギターのＡＩＭＩ（１８）、ドラムのＳＨＩＨＯ（１８）、ベースのＮＯＨＡＮＡ（１９）。２００６年、長崎出身のＮＯＨＡＮＡが沖縄のイベントで当時高校１年生だった２人と偶然出会い「３秒で一緒にできると思った」と意気投合、本部高校に編入してバンドを結成。０７年に沖縄県青少年ミュージックフェスでグランプリを獲得しメジャーレーベルと契約。デビュー曲「ヒトヒラのハナビラ」はテレビ東京系アニメ「ＢＬＥＡＣＨ」のエンディング曲に。

　◆本部町　沖縄本島の本部半島西部に位置し、人口１万４０８８人。１９７５年に沖縄海洋博が開かれた海洋博公園を有する。同公園内に２００２年、「沖縄美ら海水族館」が開館し、昨年の入場者数は３０２万人と沖縄の観光名所に。３人が在籍、卒業した県立本部高校のゴルフ部は全国レベル。

参照元：スポーツ報知