アッコ、日本人初アポロシアター単独公演「本当に幸せ」

【米ニューヨーク２９日（日本時間３０日）】歌手の和田アキ子（５８）がマンハッタン・ハーレムにある黒人音楽の殿堂「アポロシアター」で初の海外公演を行った。敬愛する故レイ・チャールズの原点でもある劇場で、同所で単独公演を行ったのは日本人初。ファンのノリの良さに驚き「私は本当に幸せ。Ｉ　ＬＯＶＥ　ＮＥＷ　ＹＯＲＫ！　レイちゃんも（天国で）絶対見てると思う。Ｄｒｅａｍｓ　ｃｏｍｅ　ｔｒｕｅ」と涙を流し喜んだ。

　アンコール。自然と総立ちになった１４５０人のファンの姿を目の当たりにし、涙がこぼれた。「歌手にとっての幸せは、名声とかではなく、聴きに来てくださる皆さんがいること」

　敬愛するレイ・チャールズゆかりの地でもあるアポロシアターはアッコにとっても「聖地」。１年がかりで準備を進め、１か月前からたばこも控えた。５日前の２４日に現地入り。特別番組の収録を行いながら、気持ちを高めた。

　「古い日記」などヒット曲のメドレーでスタート。この日のために猛勉強したという英語の自己紹介をはさみ、３８年前に音楽番組で共演した米の大御所ソウル歌手、サム・ムーア（７２）がゲスト出演。当時の映像とともに「ＳＯＵＬＭＡＮ」を熱唱し、会場のボルテージを上げた。レイのヒット曲「Ｇｅｏｒｇｉａ　ｏｎ　ｍｙ　ｍｉｎｄ」、越路吹雪の「愛の讃歌」、美空ひばりの「愛燦燦」と、尊敬する先輩の代表曲も披露。２時間半で全１４曲を熱唱し「Ｉ　ＬＯＶＥ　ＮＥＷ　ＹＯＲＫ！」と叫んで締めた。

　１９６８年１０月２５日に「星空の孤独」でデビューしてから４０年。恵まれた体格と歌声で、当時は海外進出を視野に「マーガレット和田」という芸名も用意された。アキ子の「アキ」がカタカナなのもアメリカを意識したもの。４０年目でかなった、あこがれの米公演だった。

　初の海外コンサートだったが、現地の日系人を中心にチケットは完売。若いファンも多く「自分が思っていた以上にノリがいい。ビックリ」。日本に負けず劣らずの大声援が、不安と緊張を和らげた。

　４０周年の集大成となる公演に「声がかれてもいいや、本望だと。フラフラでした。アポロを汚さないステージにできた。ドリームズ・カム・トゥルー」とアッコ。３０周年ではアッコの公演にレイがゲスト出演し「１０年後にまた共演しよう」と約束。レイは亡くなってしまったが「レイちゃんは絶対見てくれてると思う。みんなでアポロを味わいました」。天国のレイと“共演”した感覚に浸っていた。

参照元：スポーツ報知