桑田が原坊が泣いた…サザン「真夏の大感謝祭」最終公演

今年いっぱいで無期限活動休止に入る国民的人気バンド「サザンオールスターズ」が２４日、神奈川・日産スタジアムで「真夏の大感謝祭　３０周年記念ＬＩＶＥ」（全４公演）の最終公演を行った。終演後にメンバーがあいさつし、桑田佳祐（５２）は「やれることは全部出しました。サザンのオリンピックも今日で閉会します」と感無量。「サザンの屋号をいったん預けます。またここで会いましょう」と復活を約束。また、鈴木雅之（５１）、黒柳徹子（７５）ら親交の深い有名人がメッセージを寄せた。

　鳴りやまない７万人の大歓声。ラストの４６曲目「Ｙａ　Ｙａ（あの時代（とき）を忘れない）」を歌い終え、桑田はほおを伝う雨とともに涙をぬぐった。

　「こんなに熱い声援をもらっちゃうと、別れ際が切なくてつらくなるけど、このまま甘えているとみんなに明日が来なくなっちゃうと困るので、サザンのオリンピックも今日で閉会します。サザンの屋号を皆さんにお預けしますので、また会える日まで預かっていてちょうだい」。素直な心境、ファンへの思いを約１分半のメッセージに込めた。

　２００９年以降の無期限活動休止、現段階での年内の活動も未定であることから、事実上のサザンの年内“ラスト”ライブ。中盤以降は、リクエスト投票の上位を占めた「いとしのエリー」「真夏の果実」「ＴＳＵＮＡＭＩ」など名曲のオンパレード。曲の合間、桑田は「ありがとう」「Ｔｈａｎｋ　ｙｏｕ」の言葉を何十回も繰り返した。

　大事な４日間をメンバー全員で迎えた。３６曲目の新曲「Ｉ　ＡＭ　ＹＯＵＲ　ＳＩＮＧＥＲ」、アンコールの「勝手にシンドバッド」では、体調不良の野沢も元気な姿をみせ、会場を沸かせた。一方、５人へのサプライズもあった。スタッフの提案で、スタンドに人文字で「ＷＥ　ＡＲＥ　ＳＡＳ　ＦＡＭＩＬＹ！」と描かれ、メンバーを喜ばせた。

　「来年あたり『サザンオールスターズ・デラックス』として帰ってきますから」と冗談めいていた桑田だが、最後には「新しい時代が来て、新しい自信作を作って、みんなに聴かせられるときが絶対来る。またここでみんなと再会したい」と言い切った。サザンは必ず帰ってくる。いつか訪れるその時を願うように、ファンはいつまでもその姿を焼き付けていた。

　関口和之（ベース）「『Ｉ　ＡＭ　ＹＯＵＲ　ＢＡＳＳＩＳＴ』。３０年分の感謝を申し上げます」

　原由子（キーボード）「（涙を抑えながら）雨の中、盛り上げてくださって本当にありがとうございます。３０年間もやれるとは思ってませんでした。これからもよろしくお願いします」

　松田弘（ドラム）「３０年間、応援してくれてありがとう。そのパワーが僕らのパワーになって、ずっとここに立っていることができました。まだまだよろしく」

　野沢秀行（パーカッション）「みんなのステキな、ステキな笑顔、最高です。ありがとう」

　◆サザンオールスターズ　青山学院大学のサークル仲間を中心に結成。１９７８年６月２５日に「勝手にシンドバッド」でデビュー。７９年に「いとしのエリー」が大ヒットし、同年のＮＨＫ紅白歌合戦に初出場。その後も「チャコの海岸物語」「真夏の果実」「涙のキッス」などヒット曲を連発し、日本の音楽シーンのトップを走り続けた。９２年に中国・北京で初の海外公演。２０００年発売の「ＴＳＵＮＡＭＩ」は売り上げ約３００万枚で社会現象に。同年８月に念願の地元・茅ケ崎ライブを開催。０８年５月１９日に、０９年以降の無期限活動休止を発表。これまでにシングル５３枚、アルバム１８枚の全２５８曲。

参照元：スポーツ報知