石野田奈津代 分校で卒業式ライブ

２月に新曲「春空―ハルソラ―」で再メジャーデビューしたシンガー・ソングライターの石野田奈津代（２８）が１日、山口・県立熊毛南高校上関分校で卒業式ライブを行った。

　不屈の美声が瀬戸内海に響いた。防予諸島の長島にある同分校は来年３月に閉校となる。伊豆諸島の東京・神津島出身の石野田は、昨年９月に文化庁の事業で同校の講師を務めた。この日は当時、全校生徒１９人と共作した「Ｓａｙ　Ｙｏｕ　Ｓａｙ」と新曲「春空―」を披露。「あきらめない気持ちを持ってほしい」と卒業生１４人、２年生５人の“教え子たち”にエールを送った。

　石野田は９９年２月にアルバム「ひまわり」でメジャーデビューしたが、不振のため約２年で契約を打ち切られた。スランプで自殺も考えたが、やはり歌で素直に心情をさらけ出す自分のスタイルで「聞いてくれる方の背中を少しでも押せるのが喜び」と再起した。

　最初のデビューから１０年。「紅白にも出たいし、たくさんの人に歌を届けたい」校庭の桜の木のように、冬を越え、夢のつぼみを膨らませていた。

　◆石野田　奈津代（いしのだ・なつよ）１９８０年４月２８日、東京・神津島生まれ。２８歳。小・中学時代のいじめから逃げるため、歌手を志す。本土の都内高校を卒業直前、９９年２月に「いしのだなつよ」名義でデビュー。メジャー契約終了後、インディーズの自主レーベルで再始動し、銭湯や結婚披露宴でもライブを開催。笑福亭鶴瓶も自らのテレビ番組で絶賛。

参照元：スポーツ報知