都はるみ「ここで倒れても放っておいてください」

４日に内縁の夫で所属事務所代表の中村一好（かずよし）さん（享年６０歳）を自殺で亡くした歌手の都はるみ（６０）が１６日、香川県県民ホールで、デビュー４５周年記念コンサート（昼夜２公演）を行った。

　最愛のパートナーを失ってまだ１２日での初の公の場。夜公演の最後に感極まった。「私がここでバタっと倒れても、放っておいてください」。長年２人で作り上げてきたステージで、死ねたら本望か。ファン２０００人の激励に「居心地よくて、温かい。私、ものすごく元気なんです」とはるみ。気丈な言葉とは裏腹に、あふれる涙を着物の袖でぬぐうと、「好きになった人」で、♪さよ～な～ら、さよな～ら、好きにな～った人―とこぶしを天に突き上げた。

　０５年の母・北村松代さん（享年８５歳）、０６年の作曲家・市川昭介さん（享年７３歳）に続き、最大の理解者を亡くし「くじけてしまう時がありますが、私は歌っていくしかありません」。ショックの色濃いやつれた表情で「浪花恋しぐれ」など中村さんプロデュースの１２曲を含む２２曲を絶唱した。

　２月には一緒にハワイに旅行し、最後の会話も「来年やこれからの話」。事務所の経営難が動機ともされるが「私は分からなかった。事故だと思う」と声を絞り出した。

　年内はツアーのほか６月に座長公演。今後の楽曲制作については調整中だが、収録済みで中村さんの“遺作”となる「螢の宿　シンフォニックバージョン」を５月２１日に発売する。はるみは「前を向いて歩いていく」と誓っていた。

参照元：nikkansports.com