頑張れ新潟！中孝介「音楽で勇気」…苗場でフジロック開幕

今年で１１回目を迎えるロックイベント「フジロックフェスティバル」が２７日、新潟・湯沢町の苗場スキー場で開幕した。１６日に発生した中越沖地震の被害はほとんどなく予定通り進行したが、“地元”に恩返しするため同フェス事務局が支援組織を結成。会場と同町周辺に計２５０の募金箱を設置し、観客に義援金を呼びかけた。歌手の中（あたり）孝介（２７）は「音楽の力で勇気づけたい」と復興の歌声を響かせた。

　中孝介の歌声が被災者を勇気づけた。「自然の前で人間は無力。ぼくらが何か言うのはおこがましいですが、負けずに手を取り合って頑張ってほしい」。復興への願いを込め、初アルバム「ユライ花」から「花」「家路」「Ａｖｅ　Ｍａｒｉａ」など５曲を披露した。

　会場の湯沢町は、中越沖地震で震度３を記録。軽傷１人、家屋損壊ゼロと被害は小さかったが、民宿の予約キャンセルなど風評被害があった。フジロックは予定どおり開催されたものの、「ステージ設営中に地震が起きていたら、大きな事故になっていた」（スタッフ）。ＪＲ信越本線の青海川駅付近で発生した土砂崩れの影響で、関西の観客向け夜行列車「星空トレイン」が運行できず、バス輸送に変更される被害もあった。

　１９９９年から同町で開催しているフジロックにとって、新潟はホームグラウンド。音楽の力で恩返しするため、０４年の中越地震の際に義援金を寄付。今回は事務局が支援組織「新潟応援団」を結成し、会場内外で２５０の募金箱を設置した。開演前は泉田裕彦新潟県知事がメッセージを寄せ、観客に募金を呼びかけた。

　中はフジロック初出演。奄美大島出身で小さい地震しか体験していないが、山あいのステージに立つと、豊かな自然に暮らす家族や友人を思い浮かべた。癒やしの声に続々とファンが詰めかけ、２０００人にふくれ上がった。「フジロックに来ること自体初めてでしたが、お客さんが温かく想像以上に楽しかった。ここでは落ち着いて歌える気がします。音楽の力で勇気づけられたらいいですね」と話していた。

参照元：スポーツ報知