オシム誤算 年内最後Ａマッチ新戦力テストできない…１７日エジプト戦

　◆ＡＦＣアジア・アフリカチャレンジカップ２００７　日本―エジプト（１７日、大阪・長居スタジアム）　日本代表のイビチャ・オシム監督（６６）が１７日のＡＦＣアジア・アフリカチャレンジ杯の対エジプト戦（大阪・長居）で温めていた新戦力大量テスト構想が崩壊した。親善試合は通常交代枠が「６人」だが、アジアサッカー連盟（ＡＦＣ）がこの日、公式戦で採用される「３人」を厳命。先月の欧州遠征で控え組に出場機会を約束していた老将は、実験失敗危機にＡＦＣに抗議が受け入れられなかった。

　来年２月、火ぶたを切って落とすＷ杯アジア予選を控えた重要な今年の最終戦で老将の代表強化構想はもろくも崩壊した。

　「３人交代は公式戦と考えればノーマルだが、なぜこのタイミングで、この大会で、ＡＦＣが口を出してきたのか、理解に苦しむ。私だけではなく、向こうの監督も新しい選手を試したかったのでは…」エジプト戦前日記者会見で、それまで穏やかな表情だったオシム監督が突如顔面を朱に染めた。「アフリカの優勝経験チーム（８月のカメルーン戦）と戦ったが、交代枠の制限はなかった。今回ばかり３枠というのは分からない」怒りは収まらない。

　ＡＦＣへの怒りの抗議の理由は、この日の両代表実務者会議で決まった交代枠問題だった。通常の親善試合では６人の交代選手が容認されるが、公式大会であることを強調するＡＦＣは「３枠限定」を厳命した。

　中村俊輔、高原直泰ら欧州組招集をあきらめた老将が今回狙ったのは新規登用と実験だった。「代表チームをつくる中心グループの選手を増やしたい。つまり１１人だけではなく、たくさんのレギュラーをつくりたい。中村、高原、稲本のような欧州の選手がいつも使えるわけではない。中沢、川口の後釜も考えないといけない」９月の欧州遠征最終日には、今回控え組を抜てきすることも約束していた。だが、エジプトの主力ドタキャンによる大幅戦力低下に加え、想定外の交代枠削減でアジア予選を戦う新戦力発掘が困難となった。「前の試合に出ている１１人をエジプトも代えているから、日本代表も代えることができる」大胆な入れ替え策も打ち出した老将は苦悩の影を隠しきれなかった。

参照元：スポーツ報知