堺雅人、北関東新聞を代表して受け取りたい…報知映画賞 表彰式

◆第３３回報知映画賞・助演男優賞　第３３回報知映画賞の表彰式が１７日、東京・港区のザ・プリンス　パークタワー東京で行われた。

　笑みをたたえたまま、堺雅人はさっそうと舞台に上がった。昨夏の７～９月に連続して撮影した３作で見せた異なる顔が評価された。「クライマーズ・ハイ」にふれた受賞の言葉では「５０人の編集局員みんなで作り上げていった。北関東新聞（劇中の新聞社名）を代表して受け取りたい」ときっぱり。エース記者は、日航全権デスクの堤と同じ喜びを表現した。

　新聞記者に逆取材し、役作りをしたが「誰１人欠けても違った作品になった。僕１人で作った役じゃない」と謙遜（けんそん）。壇上で「２３年前の（日航機墜落）事故で命を落としたみなさんの、ご冥福を祈りたい」と話した。

　式直前のわずかな時間に堤と交わしたのは、次の仕事の話題。祝福の花束をもらった同世代で仲のいい内田けんじ監督（３６）とは、台本読みや原稿執筆をする喫茶店の情報を交換。今月初旬に車を購入したばかり。副賞のガソリンは「大切に使わせてもらいます」と喜んだが「行動範囲が広がる？　う～ん、仕事ばっかになると思いますよ」と苦笑した。

　「映画界の中ですごく重要なポジションを担っている。いなくなったら困る映画がいっぱいある」と内田監督が実力を認めるように多忙な毎日が続く。「堤さんのように次は主演で？　まだ（賞を）いただいたばっかりですよ」と言い残し、出演作「ジェネラル・ルージュの凱旋」（来年３月７日公開）のロケ地入りのため、軽やかに会場を後にした。

　◆堺　雅人（さかい・まさと）１９７３年１０月１４日、宮崎県生まれ。３５歳。９２年、早大演劇研究会から劇団「東京オレンジ」を旗揚げし看板俳優に。ドラマは２０００年ＮＨＫ「オードリー」、０４年、同局大河「新選組！」、映画は０１年「ココニイルコト」、０３年「壬生義士伝」、０７年「壁男」など。「篤姫」の家定役で国際ドラマフェスティバルの助演男優賞。雑誌「ＴＶｎａｖｉ」でエッセーを連載中。１７２センチ、血液型Ｏ。

　◆クライマーズ・ハイ　８５年に群馬・御巣鷹山で日航ジャンボ機が墜落。５２０人の死者を出した世界最大の単独航空機事故に奔走し、苦悩する「北関東新聞」記者たちの姿を描いた社会派ドラマ。記者時代に、事故の報道にかかわった横山秀夫氏が自分の体験を反映させて書いた同名小説が原作。０５年にはＮＨＫでドラマ化（主演・佐藤浩市）された。

　◆ジャージの二人　会社を辞めたばかりの３２歳の男（堺）は、猛暑のある日、グラビアカメラマンの父（鮎川誠）に誘われ北軽井沢の山荘へ。父子はそれぞれの妻とうまくいっていない。小学校のエンブレム入りのジャージーに着替えた２人は“何もしない”ひと夏を過ごす。芥川賞作家・長嶋有さんの同名小説を中村義洋監督が映画化。

　◆アフタースクール　中学教師の神野（大泉洋）のもとへ、同級生だと名乗る探偵（佐々木蔵之介）が訪ねてくる。この探偵、神野の中学時代からの親友だったサラリーマン・木村（堺）を捜しているという。神野は木村捜しを手伝ううちに、意外な事実が次々と浮かび上がってくる。内田けんじ監督。

参照元：スポーツ報知