山田監督、今でも黒澤さんに学ぶ…シンポジウムに１５０人

【ベルリン１５日】第５８回ベルリン国際映画祭で現地入りしている山田洋次（７６）監督とコンペ出品作「母べえ」の原作者でもある野上照代さん（８０）が、市内で行われた黒澤明監督のシンポジウムに出席した。

　会場は世界の黒澤ファン約１５０人で満員となった。野上さんは黒澤作品の記録係を担当し、巨匠をそばで見てきた生き字引。監督が、絵コンテを描いた話は有名だが「あれは撮影だけが目的じゃない。映画の資金を集める時に伝えやすいようにするためでもあった」。

　山田監督は、若い男性参加者から「いまも黒澤監督は影響を与えているか」という質問を受けると「黒澤さんは『ぼくは天才ではない。あるとしたら記憶力がいいことさ』とおっしゃっていた。今も作品を見返し、学ぶことは多い」と答えた。

　厳しい監督に怒られたことがなかった野上さん。ただ山田監督の「男はつらいよ」シリーズを「何度も同じような作品で楽ですね」と黒澤監督に言った時に「とんでもない。すごい演出力だ！」と返されたことを明かした。

参照元：スポーツ報知