浅野忠信「最高にうれしかった」…米アカデミー賞候補

俳優の浅野忠信（３４）が２３日、主演映画「モンゴル―若き日のジンギス・カーン―（原題・ＭＯＮＧＯＬ）」（セルゲイ・ボドロフ監督）が第８０回アカデミー賞外国語映画部門にノミネートされたことを受け、都内で会見した。喜びの声とともに「出来ることがあるわけじゃないけど、最後までいい結果に結びつくようにあきらめず願うしかない」と受賞に期待を込めた。

　候補入りを知ったのは２２日深夜、自身が監督したオムニバス映画「Ｒ２４６ＳＴＯＲＹ」（今夏公開）の打ち上げの最中だった。「最高にうれしかった」と浅野。撮影から２年たっても日本公開が決まらない状況にヤキモキしながらも「（撮影では）本当に大変な時間を過ごした。こういう形になって自分にとってもありがたい」と実感を込めた。

　浅野は米国人とのハーフの母親を持つクオーターで「（米国は）ルーツというか身近に感じているところもあったので、少しでも接触できたのがうれしい。米国の映画作りに少しでも食い込んでいければ」。これまで海外製作の映画には何度も出演したことはあるが、今回を機にハリウッド進出の期待も高まった。

　候補作となった「モンゴル―」はカザフスタン・ロシア・ドイツ・モンゴルによる合作。全編モンゴル語の作品で、今回、カザフスタンから出品されていた。浅野はアジアを中心とした各国でのオーディションで主演の座をつかんだ。

　候補入りを受け、日本公開に向けても加速。すでに１０社近くの邦画大手から１社に絞り込まれ、早ければ今週中にも正式に契約が成立。年内中に公開されるという。浅野も「本当にお願い。やっぱり日本人だから」と母国での公開を切に願った。

　米国では今年６月、約７００館での全米同時公開。日本人の主演作としては過去に例のない数。すでにロシアなどでは公開されており、最終的に３０か国以上での公開が見込まれているという。

　授賞式は２月２５日（米時間２４日）。今年は米脚本家組合のストライキの影響から式典の形式が例年と変わる可能性がある。浅野は「どうでもいいこと」としながらも「レッドカーペット？　呼んでもらえるなら、もう。歩きますね」と笑顔。日本人関連の作品としては７５年度（第４８回）の「デルス・ウザーラ」（黒澤明監督、ソ連作品）以来、５度目の受賞を目指す。

　◆辻一弘さんも候補　浅野だけでなく、メーキャップ賞で米映画「マッド・ファット・ワイフ」の辻一弘さん（３８）＝米在住＝も、前年に続き２度目の候補入りを果たした。また、主演男優賞にはジョージ・クルーニー（４６）が「フィクサー」、ジョニー・デップ（４４）が「スウィーニー・トッド　フリート街の悪魔の理髪師」で候補入り。作品賞にはジョー・ライト監督の「つぐない」や、コーエン兄弟の監督作「ノーカントリー」など５作品が選ばれた。

参照元：スポーツ報知