筑紫哲也さん１４７日ぶり「ＮＥＷＳ２３」でがん撃退報告

初期の肺がん治療のため休養していたニュースキャスター・筑紫哲也さん（７２）が８日、メーンキャスターを務めるＴＢＳ系「筑紫哲也ＮＥＷＳ２３」に生出演した。闘病中も７月の参院選などで音声で参加していたが、映像で姿を見せるのはがんを告白した５月１４日以来、１４７日ぶり。「少し太っちゃった」と、ほおもふっくらとした様子。「ほぼがんは撃退した」と宣言、次回の出演は未定だが、復帰を誓った。

　がんとの苦しい闘いを感じさせない姿で、筑紫さんが報道の現場に帰ってきた。

　「こんばんは、筑紫哲也です。と、最後に申し上げてから１４７日ぶりのスタジオです。必ず元気に戻ってくると申し上げましたが、その約束を果たせたことをうれしく思います」

　番組冒頭、キャスター陣の中央に立ち、しっかりとした口ぶりであいさつ。膳場貴子キャスターらの祝福を受け、照れたような笑顔を浮かべた。

　５月１４日の「ＮＥＷＳ２３」で初期の肺がんを告白。「がんに打ち勝って、また戻ってきます」と翌１５日から番組を休養し、治療に専念してきた。

　１４７日ぶりのスタジオ復帰。膳場キャスターから「少しふっくらしたような気がしますけど」と振られると、「元気な病人、と言っていたけど、基本的に食いしん坊だから。たばこをやめざるを得ないし、少し太っちゃった」と照れ笑い。休養前より短くそろえたように見える髪の毛は「抗がん剤の影響で２割ぐらい減っちゃった。今は発展途上中ですが、上のところは付け毛なんですよ。分かんないでしょ？」と終始明るく語った。

　肺がん自体は「ほぼ、撃退したという状態になっています」と報告。「多くの方々から励ましやお見舞いを頂きました。病気は病と気と書くけど、特にがんは気持ちの持ち方が大きかった」と感謝した。

　番組ではゲストの楽天・野村克也監督に様々な質問をぶつけるなど、病前と変わらない進行ぶり。気になる今後だが「がんは手ごわい相手。いつリターンマッチを仕掛けてくるか分からない」と慎重な発言。次回の出演は未定で「毎日来るのはすぐには無理。大事なニュースとか、節目節目のときには必ず出てくるようにします」と、番組降板などはせず、体調を見ながら復帰を目指す。

　約１時間の生出演を終えた筑紫さんは「久しぶりにスタジオに入り心地よかった。スタッフの笑顔を見てうれしかったし、元気が出た」とコメントを発表。「がんクラブのメンバーになっても、それでも元気に生きているというサンプルみたいになれれば」と意欲を語っていた。

　◆筑紫　哲也（ちくし・てつや）１９３５年６月２３日、大分県生まれ。７２歳。早稲田大学政治経済学部卒業後、５９年に朝日新聞社に入社。８４年に「朝日ジャーナル」編集長に就任。「新人類」「元気印」などの流行語を生みだす。８９年７月、同社を退社。同１０月からＴＢＳ系「筑紫哲也ＮＥＷＳ２３」のキャスターを務める。９６年３月、ＴＢＳがオウム真理教幹部に、教団と対立していた坂本堤弁護士のインタビュー映像を見せた問題が発覚した際「ＴＢＳは死んだに等しい」と発言、話題になった。

参照元：スポーツ報知