金原ひとみさん作詞でＣｈａｒａが「蛇にピアス」歌う

歌手のＣｈａｒａ（４０）が、作家・金原ひとみさん（２４）の芥川賞受賞作を映画化した「蛇にピアス」（９月２０日公開、蜷川幸雄監督）の主題歌「きえる」を歌うことが２５日、分かった。Ｃｈａｒａとの共作で金原さんが作詞に初挑戦。デビュー１７年で初の映画主題歌を手がけたＣｈａｒａは「メロディーに合わせ作詞できるひとみちゃんに驚いた」と語っている。

　金原さんが２０歳で芥川賞を受賞した「蛇にピアス」を、世界的演出家の蜷川氏がメガホンを執って映画化した話題作。主人公のルイ（吉高由里子）は蛇のように割れた舌を持つアマ（高良健吾）と同居しているが、入れ墨彫り師のシバ（ＡＲＡＴＡ）とも肉体関係を重ね、ピアスや入れ墨など身体改造にのめり込んでいく。

　主題歌を依頼され、初めて原作を読んだＣｈａｒａは、ルイがアマから“愛の証し”としてもらった歯を砕いて飲む場面に「愛を感じた。まねしてしまうかも」と深く共感。「周りから計り知れない喜びや恐怖。かわいい笑顔を好きな人のためだけに見せる女の子の感じ」を「きえる」で表現した。

　同曲はスローテンポで、Ｃｈａｒａが作曲し、作詞は金原さんとの共作。映画プロデューサーに依頼され、初めて作詞した金原さんは「歌詞を書くのは難しいと悩んだ。小説は完結までひとり。共同作業は苦手で、避けてきたところもあった。挑戦だったけど、完成までこぎつけ自信になった」。今月中旬のレコーディングを見守り「繰り返し聴きたくなるメロディー」と語る。

　Ｃｈａｒａは主演映画「スワロウテイル」（９６年、岩井俊二監督）の主題歌「Ｓｗａｌｌｏｗｔａｉｌ　Ｂｕｔｔｅｒｆｌｙ　あいのうた」をＹＥＮ　ＴＯＷＮ　ＢＡＮＤで歌ったがソロでは初めて。「ひとみちゃんはメロディーに合わせて作詞できるんだ、と驚いた。ありがとう、いい経験でした」と満足げだ。

　蜷川監督は「金原さんはやっぱりうまい。感動した。Ｃｈａｒａさんと２人で何度も書き直して、必死に取り組んでくれてうれしかった。そこにＣｈａｒａさんの声がいい具合にマッチして、わくわくしました」と太鼓判を押している。

　◆映画「蛇にピアス」　１９歳のルイは、アマに紹介され身体改造の店長・シバと出会い、舌にピアスを入れる。サディストのシバとの過激なセックスや、舌先を２つに割るためにピアスを大きくしていく時の痛みを通して生きる実感を得るルイ。ある日、アマがルイの前から姿を消してしまう。

参照元：スポーツ報知